春になると一面は咲き誇るタンポポ。
黄色い花が可愛いですよね。
タンポポはキク科の多年生の植物で生命力が強く、どこにでも厳しい環境でも生息しているため、雑草のイメージが強いですが、実はかなり優秀な栄養価を誇る食用ハーブなんです。
タンポポは花や葉、茎、根っこまで全部きれいに食することができ、欧米では普通に香味野菜として扱われているのです。
とはいっても、少し苦くて食べにくいのも事実。。
そこで、この栄養満点のタンポポを美味しく食べられるオススメの食べ方やレシピを紹介していきたいと思います。
タンポポの葉の美味しいオススメの食べ方やレシピ
タンポポの葉を食べたことのある方はご存知かもしれませんが、食すと後味まで残るような強い苦味と草臭い独特の香りがあり、「ちょっと苦手かも・・・」と感じられるかもしれません。
ところが、そんなタンポポの葉も美味しく食べられる方法があるんです。
青臭さやクセは全くなく、あんなにキツかった苦味もほろ苦い爽やかな苦味に感じられます。
むしろ「タンポポがこんなに美味しいなんて!」と目からウロコが落ちてしまいますよ。
そんな美味しいタンポポのレシピはこちらです。
1. タンポポを生でサラダ
生食で葉を食べるのでタンポポの苦味が最強にキツイ食べ方ですが、タンポポの種類と合わせる具によっては美味しく食べられます。
タンポポには、カントウタンポポやカンサイタンポポのような在来種と、セイヨウタンポポという外来種があり、味が全然違うんです。
外来種のセイヨウタンポポは苦味が強く食べにくいですが、在来種のタンポポは苦味やクセがほとんどなくサラダ菜のようにさらりとしたお味。
サラダにする時は在来種のタンポポの葉を使うのがオススメです。
在来種と外来種のタンポポの見分け方は、花弁の下にある総苞の外片部分をチェック。
総苞の外片が反り返らず上向きになっているものが在来種、反り返って下向きになっているものが外来種です。
また、合わせる具は卵やアボガド、ナッツ、パプリカなど、甘みのあるものや油気の多いものがオススメ。
変化球では、柿やいちじくやバナナなどフルーツを合わせても美味しいですよ。
外来種の西洋タンポポを使ったレシピをご紹介しましょう。
タンポポのさわやかな苦みが茹で卵とドライトマトと共に絶妙のハーモニーを醸し出してくれる一品です。
クルトンではなくパンをさいの目に切り、フライパンで周りがカリッと中が柔らかめに炒めると美味しいです。
美味しいオリーブオイルのクルトンですから、サラダにオイルをかける必要がありません。

西洋タンポポパスクエッタ サラダの作り方
- タンポポの若芽をきれいに洗う。
- ドライトマトをお湯で戻す。
- パンをさいの目に切る。
- ガーリックをオリーブオイルで炒め、そのオイルでパンを炒める。
仕上げにローズマリーパウダーを振る。 - 茹で卵を8等分に切る。
- お皿に盛りあわせる。
好みでリンゴ酢やバルサミコ酢でどうぞ~。
2.タンポポの天ぷら
強烈な苦味と青臭さを取り除く食べ方はやはり天ぷら。
クセのある青菜と油との相性はいいようで、揚げることで青臭さや苦味がなくなります。
後味はほんのりと爽やかな苦味が残り、本当に美味しい。
こちらの食べ方ですと、外来種のセイヨウタンポポでも普通に美味しく食べられますよ。

タンポポの天ぷら作り方
- タンポポの葉はきれいに洗って水気をとります
- 天ぷら油を準備します
- 小麦粉に酢水(水に10%の酢)を入れざっくり混ぜる
- 揚げ油を170℃程に温め、2~3枚ずつ重ねたタンポポを衣にくぐらせ油に入れる
- カリッとしたらよく油を切る
油の中にタネを入れ過ぎずほどほどに。
タネは、鍋の油の面積の1/2まで。
3. タンポポとしめじのバターソテー
しっかりとアクを抜いたタンポポの葉をバターでソテーすると、味わいのあるオシャレな一品になります。
タンポポの苦味がバターの甘みで中和されて絶妙のハーモニー。
在来種でも外来種でも、アク抜きさえしっかりすれば非常においしいものです。
ぜひ試していただきたいレシピです。

タンポポとしめじのバターソテー
- アク抜きしたたんぽぽを揃えて、2~3㎝に切る
- しめじをほぐす
- フライパンにオイルをスプーン1杯いれしめじとタンポポを炒める
- 塩・胡椒で味付けし、バターを絡める
バターの風味もよく、パンにぴったり。
4. タンポポの落花生和え
筆者が「これは絶品!」と思った食べ方は落花生和え!
落花生の香りとタンポポ葉の独特のクセがよく合います。
イメージでいうと春菊の胡麻和えのような感じでしょうか。
ホウレンソウなんかメじゃないぐらい、めちゃくちゃハマリますよ。
温かいご飯の上に乗せて食べればもう最高。
こちらも在来種でなくても、外来種でもぜんぜんいけます。

タンポポの落花生和えの作り方
- 下処理したタンポポを2~3㎝に切り絞る
- 落花生は茶色の皮をつけたまま、フードプロセッサーにかける
- 切ったタンポポ・落花生・醤油少々を和える
とても簡単ですが、おもてなしや酒の肴にもぴったりです。
タンポポの葉の下処理の仕方
タンポポの葉は食用にするには、下処理をきちんとした方が美味しくいただけます。
タンポポの葉が食べにくいのはやはり強い苦味によるところが大きいですが、ちょっとした下処理のコツでしっかりとアクが抜け、食べやすい香味野菜となるのです。
ポイント1 沸騰したお湯で下茹で
沸騰したお湯で下茹でをすることでアクが抜けます。
お湯に重曹をひとつまみ入れて茹でると、柔らかくなりアクが抜けます。
ポイント2 数時間水にさらす
下茹でしたタンポポの葉を数時間水に晒しておくと、アクがしっかりと抜けます。
少なくても2時間、外来種の苦味が気になる場合は4時間ぐらい晒しておくと食べやすくなります。
ポイント3 重曹の水で晒す
沸騰した湯で下茹でしたのち、晒す水に約小さじ1の重曹を入れて3~4時間アク抜きすると、アクがしっかり抜けシャキシャキしたタンポポが食べられます。
タンポポは栄養豊富な食用ハーブ
日本ではタンポポはただの雑草のイメージが強く、そこまで食用が一般化されていませんが、欧米では栄養豊富な優秀なハーブとしてタンポポを食す習慣があり、普通にシーズンになると旬の野菜としてスーパーで売られていたりします。
栄養価としは、ビタミンA、鉄、カルシウム ビタミンK、カリウム、カロテノイド、ビタミンC等を含みますが、驚くべきはそのスペックの高さ!
ブロッコリーと比較すると、ビタミンAはブロッコリーの1.5倍、カルシウムは4倍、ビタミンKは7.5倍。
ホウレンソウと比較しても、鉄分が2倍、ビタミンB2が3倍という優秀さ。
さすが、欧米では薬草の中でも一級品と言われているだけありますね。
カリウムを豊富に含んでいるので高い利尿作用があり、不要な水分や老廃物を排出してくれ、デトックス効果やむくみの解消にも効果を発揮します。
実は、食べにくいとされる苦味成分は、消化器官や肝臓を活性させる働きがあるので胃腸の健康のためにもいいんです。
とはいっても食用で苦味が強いと食べにくいので、タンポポをお茶にして積極的に摂取していくのもおすすめですよ。