『びわの葉はいろいろな体の不調に良い』という言い伝えがあります。
昔から、体調を崩した時、病気予防に、捻挫や腰痛までびわの葉は利用されてきました。
そして、びわの葉茶も昔から病気予防などとして人気がある健康茶です。
バラ科の植物のびわの葉茶は、日常的に愛飲されてきたお茶ですが、その人気の秘密は何でしょう。
がんや花粉症と便秘に効果があると言われますが、ほんとうでしょうか?
健康茶としてのびわの葉茶の効能と副作用や注意点について、ご紹介したいと思います。
びわの葉茶の効能とは?
びわの葉茶は古来から健康にメリットが多いお茶として愛飲されています。
人は何千年も昔から経験的に『びわの葉茶』が健康に良いことがわかっていたのです。
では、どのような効果が期待できるのか、探ってみましょう。
美肌効果
びわの葉茶は、カフェインが入っていないお茶としても有名ですが、利尿効果が高いために体内の老廃物を出す働きがあることで知られています。
成分にはアミグダリンをはじめ、ペクチンや葉酸、ビタミン類も豊富なため、お肌の細胞を活発にしてくれるうれしいお茶。
体に必要な水分補給としてもメリットで、お肌の乾燥予防やトラブル改善に。
さらに血行を改善し、女性に多い冷え性にも効果が期待できるのです。
また肌を美しくする働き以外にもアトピーの緩和や敏感肌の改善になるとのことで、空気が乾燥しやすい時期はスキンケアのためにもぜひ飲みたいお茶です。
便秘
利尿促進や整腸作用があるといわれる「びわの葉茶」
身体を温め、緊張を解き、腸の働きが整えられ、穏やかに便秘が解消されるでしょう。
便通が良くなれば、肌の血色も良くなりツヤツヤなお肌が蘇りますね。
頑固な便秘には、びわの葉茶にプラスして、「びわの葉温灸」や「びわの葉とこんにゃく温湿布」で下腹部を温めるとさらに良いでしょう。
また、びわの葉茶とお腹のセルフマッサージという手もあります。
お腹を両手で「のの字」を書いて静かに擦るだけですので、簡単にできます。
ガンの予防と治療
びわの葉には、アミグダリンという成分がごく微量ですが含まれていることから、お茶として飲むとガン予防効果が期待されるというものです。
しかしあくまでも健康茶で、治療薬ほど多くのアミグダリンが含まれているわけではでありませんが、ガンにならない健康な身体を維持する健康茶として、またサポートに役立ちそうです。
アミグダリンについて
アミグダリンはがん細胞を死滅させることができ、ガン細胞が正常細胞よりも十数倍も糖を取り込む特性を利用するガン治療法に用いられているとか。
世界20カ国以上で、「アミグダリン」が使用され、抗ガン治療としても注目されているということです
しかしまた、『アミグダリン』には毒性が認められるものの、ガンには効果がないという学説もあります。
疲労回復
毎日の体の疲労はその日のうちに解消できると良いのですが、忙しい生活を送る方にとっては疲労がいつのまにか体にたまってしまいます。
疲労回復は体だけでなく精神面でもリラックスすることが大切。
そこで注目したいのがびわの葉茶効果の疲労回復の働きです。
びわの葉茶には疲労回復効果があるクエン酸、ブドウ糖が多く含まれていますので、疲れた時に飲むとほっと心身ともに癒されるのです。
さらにびわの葉茶のクエン酸には、肝臓病の予防効果やブトウ糖には滋養強壮の働きもあるといわれており、疲労回復に繋がるようです。
漢方薬として
漢方では『枇杷葉』と言います。
中国の中医学やインドのアーユルベーダでは、紀元前からびわの葉が万病薬として使われてきました。
日本の江戸時代には、暑気払いとして庶民の健康を守る薬として使われたりもしたそうです。
肺の熱を取って咳止め、痰を取り、毒素を流すなどの効果を、『本草綱目』という中医学の薬草書に記されています。
本草綱目は古典医学ではありますが、今でも医薬書として活用されて科学的にもその効能が解明されつつあるんですよ。
ノンカフェイン
びわの葉にはカフェインが含まれていないので、子供から高齢者までそして妊娠中であっても飲むことができます。
解毒作用がありますので、妊産婦の水分補給に美味しくいただけるのがうれしいです。
カフェインを取れない場合や、お茶を飲むと興奮して眠れない方、ストレスや疲れやすいなあと思うときに最適な飲み物ではないでしょうか。
花粉症
自然治癒力を活性させてくれるびわの葉茶。
花粉症に効果がある人、そうでない人があるようですね。
花粉症・食物アレルギー・アトピー性皮膚炎などのアレルギー性の疾患に、抗炎症作用や抗アレルギー作用のある「びわの葉茶」は有効。
しかし、びわにアレルゲンを持っている人はかえって症状がひどくなってしまいます。
アレルギー反応テストをぜひ行ってください。
病院や主治医に相談されるのがもっともよい方法でしょう。
不快症状
病気ではないけれど、いつも軽い頭痛がする・なんとなく疲れが取れない・元気がない。
ひょっとしたら血液が酸性に傾いているのかも。。
血液が弱アルカリ性になっていれば「万病から逃れられる」とか。
そんな時はびわの葉茶が有効です。
その他、新陳代謝の促進をしますので、むくみ・夏バテ・肩こりや腰痛・ダイエットなどにも有効です。
野菜を多くとり、びわの葉茶を取り入れた毎日を送ってみませんか。
びわの葉茶の副作用と注意点
そんな素晴らしい『びわの葉茶』ですが、過剰摂取の副作用や注意点とはどんなことなのでしょう。
葉っぱの裏に付いてチクチクする毛も厄介者です。
過剰摂取で頭痛やおう吐?
過ぎたるは及ばざるがごとしということもありそうですし、『アミグダリン』の正体についても不安ですね。
バラ科のサクラ属の植物には青酸があると聞いたことありますよね。
ウメ・モモ・スモモ・アンズ・アーモンドなども同じ仲間です。
ですから、青梅を食べてはいけないとか、種の中身(仁)はお腹を壊すとかいわれてきました。
それこそが『アミグダリン』の正体の青酸配糖体なのです。
要するに、お茶で楽しむ程度ではなくサプリメントなどによる過剰摂取は、青酸中毒を起こすのでたまったものではありません。
米国ではアミグダリンのサプリメントの販売は禁止されているそうです。
お茶にしても、過剰な飲み方やレシピに従わない摂取をすると、青酸の毒により頭痛やおう吐の症状が出ることがあります。
良かれと思ってやり過ぎはいけません。
ほどほどに楽しむ程度が、健康茶としての一番の使い方ではないでしょうか。
びわの葉の毛
びわの葉茶として売っているものは、製品になる時すでに「毛」は取ってありますが、これが残っていると口腔粘膜や喉を刺激します。
びわの葉は、表が濃い緑色でツルツルしていますが、裏は茶色いチクチクする毛がびっしり生えていて、こするとプワ~っと毛がいっぱい散らかります。
このかたい毛が曲者。。
手作りする場合は、びわの葉っぱを1枚1枚たわしでこするのです。
流し水をかけながら、たわし掛けしましょう。
チクチクの毛がきれいに落ちるまで丁寧にたわし掛けしてくださいね。
注意点
びわの葉にはごく微量の『アミグダリン』が含まれていること。
それが、過剰摂取だと青酸中毒、ごくごく微量だと身体を活性させ健康に役立つもの。
さじ加減で薬にも毒にもなるという、漢方薬独特の性質を持っています。
- アレルギーのある方はテストをする。
- 過剰摂取やがぶ飲み、あるいは濃度が濃すぎるびわの葉茶は注意。
- アミグダリン含有のサプリメント要注意。
- お茶が原因と思われる不快症状がでたら飲用をやめる。
以上のことに注意して、異常があったら早めに医師に相談されるのが良いと思います。
おわりに
今回はびわの葉茶の効能について、またガンや花粉症や便秘の効果や、特に注意していただきたい副作用の注意点をお知らせしました。
中医学(漢方)ではお茶はもともと「毒消し」として用いられ、身体の中に溜まった毒を外に排出するために研究されてきたのです。
先人が研究した長い歴史のあるお茶の文化を大事にし、上手に生活の中に取り入れていきたいものですね。