今回は、美味しい自家製の柚子胡椒の作り方をご紹介します。
もともとは九州発祥の万能香辛料の柚子胡椒。
刺身・麺類・おでん吸い物の吸い口など何にでも合い、柚子の香りとピリリと締まった辛みが人気になり、最近ではスーパーでも手に入るようになりましたね。
ところで、この「柚子胡椒」手作りしたことはありますか?
自家製柚子胡椒なら青唐辛子や赤唐辛子でも作ることができ、辛さや塩分濃度も調節できます。
思いのほか簡単に作ることができ経済的。
作る時期は”秋”ですが、青唐辛子と柚子の季節が少しずれるので、その仕込み方も説明します。
青唐辛子や赤唐辛子で自家製柚子胡椒
ぴりっと辛い柚子の香りって、なんだか食欲が湧いてきますよね。
初めて見た柚子胡椒は、わさびっぽい緑色だったので辛そうだという印象でしたが、意外にもふわっと香る柚子と唐辛子の辛さが合っていてはまってしまったものです。
柚子胡椒の色には、赤いものと緑色のものがあります。
- 緑色の柚子胡椒は、「青唐辛子」と「青い柚子」で作ります。
- 赤い柚子胡椒は、「赤唐辛子」と「黄色い柚子」が材料です。
な~んだ色が違うだけかと思いがちですが、香りや風味が微妙にちがうんです。
この違いは次の章で詳しくお伝えしますね。
青唐辛子で緑色の柚子胡椒
青い柚子胡椒はお土産でも良く見かける定番品ですね。
青い唐辛子で作る柚子胡椒は辛味が強く爽やかな香りが楽しめます。
ですから、刺身や焼き魚など魚料理や、醤油風味の和風ステーキに添えるとお料理の味がひときわ引き立つのです。
生の青唐辛子ならではの爽快感は、緑の柚子の若々しい香りと絶妙のハーモニーを感じる柚子胡椒と言えます。
青唐辛子も辛いのですが、品種や成熟度によって辛さに違いがあります。
一般的に若い青唐辛子は辛みが少なく、辛さの押さえた品種は辛みがおだやかで唐辛子の香りがあります。
鷹の爪と言われる「本鷹唐辛子」は緑色でも赤くなっても辛いので、辛い物好きにはたまりませんね。
赤唐辛子の赤い柚子胡椒
ちょっと色合いが欲しいなという時は赤い柚子胡椒を!
魚料理や、豆腐、などに添えると華やかになりますよ。
赤い唐辛子は唐辛子の香りが強く豊かで深みがある印象があります。
青柚子胡椒のさわやかさに対し、芳醇な辛みと言ったらいいかもしれません。
柚子と合わせた赤色はポップでかわいいので、ビンに入れた時の見た目も素敵ですよ。
また、甲信越に『かんずり』という柚子胡椒のような薬味があります。
『柚子胡椒』は柚子と唐辛子・塩が主な原料ですが、『かんずり』は米麹が入って味の決め手になるんですよ。
自家製柚子胡椒の作り方と分量
基本の生の唐辛子を使った「青唐辛子と赤唐辛子の柚子胡椒」、一味唐辛子で作る「簡単柚子胡椒」、米麹をプラスした「かんずり風」の作り方と分量をご紹介します。
作り方で、唐辛子や柚子を刻んだり、おろし金でおろしたり、ミキサーを使ったりしていますが、どの手段でもお好みでどうぞ~
刻むと粒々の食感が味わえますし、おろし金は滑らかに仕上がります。
フードプロセッサーを使うと「早い」「触れる時間が短い」などそれぞれにメリットがあります。
ぜひどれか作ってみてくださいね。
青唐辛子と赤唐辛子の柚子胡椒
赤くても緑でも柚子胡椒の作り方は同じです。
基本の青唐辛子(赤唐辛子)の柚子胡椒に使う食材は、たった3つなのでシンプルです!
用具
- ボウル
- 包丁
- おろし金やフードプロセッサー(ミキサー)などどれか。
- プラスチック手袋・マスク(唐辛子対策)
- 牛乳パック(まな板代わり)
- 保存する小ビン(煮沸消毒したもの)
材料
- 青唐辛子(赤唐辛子)・・・・・・50g
- 青い柚子(黄色い柚子)・・・・・約3個
- 塩・・・・・・・・・大さじ1
また、「赤い柚子胡椒」は赤唐辛子で黄色い柚子を使います。
作り方
[2col-box] [2-left]青唐辛子は半分に切り、種を出します。
種が入ってもいいのですが、取ったほうが仕上がりがきれいです。
青唐辛子を細かく刻みます。
粗さはお好みですが、細かいみじん切りが馴染みやすいです。
、
柚子は、皮を剥き細かくみじん切り刻みます。
唐辛子と同じぐらいの大きさがよさそうです。
柚子果汁を絞ります。
刻んだ青唐辛子、柚子の皮、絞った柚子の果汁に塩を混ぜ、容器に入れます。
冷蔵庫で4~5日寝かせてください。
レシピの分量は基本の目安で、きっちりとこれでなきゃいけないというものでもなく、辛さや塩加減はお好みで増減してくださいね。
少し粒々が残る柚子胡椒ができますが、滑らかな方が好きであれば、フードプロセッサー(ミキサー)でより細かく砕きます。
すり鉢で擂るという方法もありますが、お好みに合わせてどうぞ~
また滑らかにしたものに、さらに柚子の果汁や食酢を足してタバスコ程度の固さにすると、おでんや汁物・麺類に1~2滴落として一味違った風味が味わえます。
簡単柚子胡椒
赤唐辛子に代わりに一味唐辛子を使って簡単に柚子胡椒が作れます~!
一味唐辛子は粉末なので、刻む必要もなくミキサーを使わなくても作ることができ更に簡単です。
材料をすべて入れたら、スプーンやお箸で簡単に混ぜられますよ。
材料
- 一味唐辛子・・・・・・60g
- 黄色い柚子・・・・・約3個
- 塩・・・・・・・・・大さじ1
作り方
- 柚子は、おろし金で皮をすりおろし、果汁を絞ります。
- 一味唐辛子、柚子の皮をすりおろしたもの、柚子の果汁を器にいれかき混ぜます。
- 冷蔵庫で4~5日寝かせたら完成です。
唐辛子に触ることも、鼻から辛い空気が入ってくることもなく、お気軽に作ることができます。
かんずり風
米麹も入ってさらにコクと美味しさのある柚子胡椒は、発酵させる手間はありますがその甲斐があっての味です。
新潟県妙高で作られる「かんずり」は、3年という長い時間と多くの手間をかけて作られる発酵香辛料。
秋に塩漬けされた赤唐辛子は、3~4日間ほど冬の雪の上に蒔きアクと塩を抜かれ、柚子・麹・塩と混ぜ合わせ3年間漬け込みます。
ここでは簡単に家庭でできる「かんずり風柚子胡椒」に作り方をご紹介します。
材料
- 赤唐辛子・・・・・・50g
- 黄色い柚子・・・・・約3個
- 塩・・・・・・・・・大さじ2
- 米麹・・・・・・・・大さじ3
塩と米麹を塩麴に置き換えてもできます。
この場合、塩麹の塩加減を考慮し、塩味が薄い塩麴の場合は塩を足します。
作り方
- 赤唐辛子は半分に切り種を出し、粗く刻みます。
- 黄柚子は、皮を剥き刻み、果汁を絞ります。
- 刻んだ赤唐辛子・柚子の皮・柚子の果汁を絞って、フードプロセッサー(ミキサー)に好みの細かさになるまでかけます。
- フードプロセッサーにかけたものに米麹を加えます。
(乾燥している米麹は手でほぐしながらいれます) - 全て混ぜたものをタッパーにいれ、20~25度になるところに1週間おき発酵させます。
その際、発酵しやすいように一日一回混ぜるようにしてください。 - 1週間たったら完成です。
冷蔵庫で保管してくださいね!
発酵させる必要はありません。
塩分と唐辛子の分量
自家製柚子胡椒のレシピも、自分の好みで辛さを調節すると一層病みつきになりますよ。
塩の分量は、柚子と唐辛子の重量比で10~30%とさまざまです。
日持ちさせたい時は塩を多めにすると、通常より長持ちしますよ
ただ、その場合は味も濃くなるので使う量に注意が必要です。
唐辛子と柚子の重量比は、基本の作り方で1対6にしましたが、もっと唐辛子が多くてもかまいません。
「辛いのが好き!」だったら唐辛子を多めにいれたり、辛みの強い唐辛子の品種を選ぶと理想的な味に近づくかもしれませんね。
逆に辛いのが苦手であれば、辛みの少ない種類の万願寺や伏見甘長とうがらしを使うと、唐辛子の香りたっぷりでもそれほど辛くない柚子胡椒ができますよ。
唐辛子の扱いに注意!
簡単な柚子胡椒の作り方は、材料を準備して混ぜるだけの火を使わず作ることもできますが、唐辛子を種を取ったり刻んだりするので、安全においしく調理するために 唐辛子の扱い方に十分注意してください。
唐辛子はカプサイシンという成分があるため目や皮膚に強い刺激があるんです。
柚子胡椒作りをする際は、マスクやプラスチック手袋を使って、窓を開けて必ず換気をお願いします。
大袈裟だと思うかもしれませんが、素手で唐辛子を調理すると手がピリピリして炎症を起こしてしまいますよ。
その手で目を擦ったり他の物を触ってしまうと、大変なのでしっかり準備してくださいね。
まな板を使うと、唐辛子の辛み成分がまな板に付着してしまい、しばらく取れないことがあります。
そこで、牛乳パックを開いたものをまな板代わりにして、作業が終わったら捨ててしまいましょう。
ま、使用後の用具はよく洗い、プラスチック手袋は辛さのせいで恐ろしく危ない代物になっていますので、他の物に触れないように処分します。
- プラスチック手袋・マスクを準備しよう。
- まな板代わりに牛乳パックを開いたものを使い、使用後はすみやかに捨てましょう。
- 青唐辛子のみじん切りをするとき、かけらや汁が飛ばないように気を付けてください。
保存方法と期間
自家製柚子胡椒が完成したら、冷蔵庫と冷凍庫で保管する方法があります。
使う場面と一回で使う量を考えてみると、どちらで保存したらいいかイメージしやすいですよ。
<冷蔵庫の場合>
熱湯消毒した瓶に入れ1週間を目安に使い切りましょう。
そんなに早く使い切れないという時は冷凍庫での保管がおすすめです。
<冷凍庫保存>
1年程度保管することが可能ですよ。
出来上がったら、密封できるフリーザバックに柚子胡椒をいれます。
この方法なら使うとき使う分を出せるので便利ですよ!
自家製柚子胡椒を作る時期
唐辛子と柚子の収穫時期や店頭に並ぶ時期に少しズレがあるんです。
青唐辛子は夏、赤唐辛子は秋が旬なので、特に青唐辛子と柚子を同時に入手困難なときが多くあります。
青い柚子の時期 9月から10月
柚子と唐辛子の収穫時期のタイミングが合わない場合は、唐辛子に塩で保存して柚子がでるころを待ちます。
タイミングが合わないときの作り方
青唐辛子の下漬け
- 青唐辛子は、細かく刻んで塩をします。
- 塩をした青唐辛子を、隙間なくビンにぎゅうぎゅうにきっちり詰めます。
- 詰め終わったら、空気に触れる面に更に塩をふりかけておきます。
- 冷蔵庫保存して柚子が出るのを待ちます。
柚子を入手したら
- 柚子はおろし金で皮をすりおろし、汁を絞っておきます。
- 青唐辛子をビンから出し軽く絞ります。(ポリ袋にあけ、袋ごと絞ると手が辛くなったり雑菌がはいることがありません)
このとき余分な塩分と水分が抜けます。 - 柚子のすりおろしとゆず果汁を混ぜます。(ポリ袋に入れそのまま揉むとよいです)
- ビンにきっちり詰めます。
この方法で1年分の柚子胡椒を作ると日持ちも良いような気がします。
青唐辛子を塩漬けにして絞っているので、水っぽくなく手作りの良さが感じられることでしょう。
自宅で唐辛子を栽培されている方は、色合いを見て収穫してください。
さらに柚子の木もあれば、お好きなころあいの柚子胡椒ができて楽しいですね。
おわりに
青柚子胡椒や赤柚子胡椒、献立によって使い分ければ色合いも華やかになりますね。
自家製柚子胡椒は、肉に魚に…食卓に並べば大活躍です。
そしてなにより、赤唐辛子もも青唐辛子も、栄養豊富!
ビタミンC、やカプサイシンなどが含まれているので美容効果も期待できますよ。
試しに少し作ってみて自分で辛さを調節するといいかもね。
市販のものだと辛さが選べませんが、自家製のものは唐辛子が好みの分量に調整できるので嬉しいですね。
作る時期さえ逃さなければ、作り方が簡単なので驚きますよ。