夏になると無性に食べたくなる辛い食べ物。
いつから始まったのか、カレーなど辛いものを暑い夏に汗をかきながら食べるのも文化のようなものになってきていますね。
辛い食べ物によって体温調整や血液循環が良くなるなど夏に食べるのは理にかなっているそうです。
辛い食べ物と言えば真っ先に思い浮かぶのが唐辛子。
唐辛子の成長段階で、まだ鞘が小さい時に葉ごと収穫したものを葉唐辛子と呼びます。
葉唐辛子は、家庭でも比較的簡単に育てたり収穫したりできます。
今回は、葉唐辛子をプランターと苗で簡単な育て方や、栽培と収穫時期はいつになるかという内容でお届けします。
葉唐辛子の育て方は簡単!
唐辛子は南アメリカ原産と言われるナス科の植物です。
暑さに非常に強く、寒さに弱いのが特徴ですが各地の土壌や風土に順応します。
その為、寒い地域を除いて世界中で生息するポピュラーな品種です。
自然交配も盛んで、世界中では数百以上の種類が確認されています。
順応能力が高く、生命力が強いので家庭で育てやすい品種と言われています。
そして力強い緑と鮮やかな赤い鞘がベランダや庭を華やかな彩ってくれます。
簡単に育てられるプランターや庭先での育て方をご紹介します。
葉唐辛子をプランターで育てる
唐辛子の仲間はプランターでも十分に育って、葉も実も楽しませてくれます。
プランターの選び方
プランターで育てる場合は60cm以上の深さがある深型タイプが適しています。
根を浅く張る植物ですが、加湿を嫌うので水はけが良い深型がうまく育ってくれます。
浅型が余っているので使いたい!
という場合は、メッシュの底網を敷いたり小さくカットした発泡スチロールを敷き詰めて、水はけを良くさせる事で栽培も可能なようです。
用土
土は、一般的なホームセンターの野菜用の土で簡単に育てられます。
自分で土を作りたい方は
この割合をベースにした水はけの良い用土作りが適しています。
苗の植え付けの2週間前ぐらいまでに、石灰を用土10ℓ当たり10gほどの割合で入れます。
1週間前には肥料や堆肥を入れてなじませてあげると育ちやすくなります。
種を発芽させる
唐辛子の栽培自体は難しくありませんが発芽と苗になるまではデリケートです。
地温が28度以上無いと発芽しにくいなど、一般的に家庭で楽しむ場合は苗をプランターに植えてあげるのが簡単です。
ちなみに種から植える場合は、3月上旬から4月上旬頃までに種蒔きをします。
しかし、日本ではこの時期に地温はそこまで高く無い為、発泡スチロールなどを使って温室状態を作ってあげなければなりません。
- 出来れば深型のプランターを用意する。
- 無ければ標準や浅型でも可能。
- 水はけの良い環境を作ってあげる。
- 肥料を多めに入れてあげる。
葉唐辛子を苗で栽培する
唐辛子は苗を手に入れて栽培するのが簡単でおススメ。
苗を手に入れるとプランターに定植して、あとは追肥したり水をあげたりと一般的なガーデニングと同じ要領で比較的簡単に育てられます。
また、蕾(つぼみ)がついているもしくは花が咲き始めているものがいいでしょう。
どの唐辛子でも葉唐辛子として葉っぱも食べられますが、『八房』や『伏見唐』という品種が葉唐辛子としてよく出荷されていますので、もしこの品種を見つけられば葉唐辛子としては育てやすいです。
プランターに苗を植える
苗も準備できたら、いよいよ定植です。
- 苗より少し大きめの穴を掘り、根鉢を崩さ無いように植える。
- 一番下の子葉の下まで土寄せして、株元を少し押さる。
- 水をしっかりあげる。
- 株から2・3cm離して支柱を立て、麻ひもなどで8の字にくくる。
8の字結びのかけ方
- 茎に麻ひもをかけ、ゆとりをもたせて2~3回ひねります。
- 次に、支柱にひもを1~2回まわして結びます。
- 茎側はゆるく支柱側はしっかりと、8の字型なるように結びます。
- 成長すると茎は太くなるので、余裕が必要です。
一つのプランターにいくつも植える場合は株間を30cm以上はとってあげましょう。
近すぎると風通しが悪くなり育ちにくくなってしまいます。
定植の時期は暖かくなってくる、5月ぐらいからが日本では適切と言われています。
また、苗を買ってから花が少し開くまで待ってあげてから定植した方が成長しやすいようです。
あとは成長に合わせて水やり、追肥、剪定です。
水やりの仕方
水やりは他の作物のように土が乾燥したらたっぷりあげましょう。
真夏は朝夕の1日2回あげるぐらいでもいいかもしれません。
乾燥に弱い為、水分不足で弱くなってしまいます。
しかし、逆にあげすぎると植物本来の強さも失われてしまします。
土と苗の状況をしっかりみてあげるようにしましょう。
追肥の目安
追肥は一番果がついた頃、もしくは定植後2週間後くらいに一回目をあげるのが適切言われています。
一般的にホームセンターなどでは化成肥料が追肥として販売されていますが、収穫して食べることを考えると化学肥料は不安ですよね。
そこで、有機肥料を選んで買ったり、自分で堆肥など作るのもおもしろいですね。
その後は2週間に一度くらいの目安で追肥していくのが一般的です。
しかし、水やりと同じで肥料のあげ過ぎも植物本来の強さを失う側面があります。
葉の色が薄くなったり花の付が悪かったりすると肥料切れです、
状態をよく観察しながらあげるようにしましょう。
剪定
一番花を基準に始めます。
一番花が開くとその下に2・3本の脇芽がでてきます。
その脇芽だけを残しそれ以下の脇芽は早めに摘んであげましょう。
指でつまんで横にひねると簡単に取れます。
脇芽をとることで花が多く咲き、実も多く取れます。
このように、他の植物と同じような流れで家庭菜園が出来ますので、是非トライしてみてください。
- 苗を選ぶ基準は色艶のよい葉で蕾や花が咲き始めている。
- 水やりは比較的多めにあげるがあげすぎないようにする。
- 追肥は2週間に1度を目安にこれもあげすぎないようにする。
- 花ができ始めると下の2つほどの脇芽を残し下の脇芽は摘み取る。
葉唐辛子の収穫の時期はいつからいつまで
唐辛子としての収穫は、青唐辛子の場合は5cmほど、赤唐辛子の場合は鞘が緑から真っ赤に色づいたものをハサミやナイフでヘタの上を切り取ります。
開花後、鞘が出来てから20日から30日ぐらいで青唐辛子として収穫されます。
赤く完熟させたものが美味しい品種では開花後60日ほど待つものもあります。
葉唐辛子の場合はその前の段階で収穫してしまいますので、少し早めになります。
小さい唐辛子の鞘ができた頃に枝ごとハサミやナイフで切り取ります。
時期としては夏頃からの収穫になり、苗の定植からだとだいたい2ヶ月前後で葉唐辛子は収穫できます。
そして寒い地方でも雪が降る直前、あるいは晩秋まで収穫できます。
害虫にも強い品種で病気の心配も比較的少ないので、そういった意味でも育てやすいです。
収穫した後はおいしく頂きましょう。
唐辛子は栄養価も高く体に力が湧くイメージですが、辛いのでたくさん食べられません。
しかし、葉は唐辛子の代表的なカプサイシンなどの栄養素も含みながら、他にも鉄・カリウム・ミネラルなども同時に取れます。
食べ方としては、佃煮にしたり味噌汁に入れたりと様々です。
葉唐辛子の食べ方はこちらで紹介しています。
自分で愛情を注いで育てたものを味わって頂く。
収穫を楽しみに世話をしてあげるのも楽しくなってきますね。
おわりに
葉唐辛子の育て方はプランターと苗があれば簡単に栽培と収穫ができます!
唐辛子本来の生命力や害虫への強さもあり家庭菜園の難易度としても低いです。
栽培は乾燥と肥料に気をつければ問題ありません。
収穫の時期も唐辛子よりも速く収穫が楽しめます。
いよいよ夏本番が近づいてきました。
夏の楽しみを今から増やすという意味でも唐辛子を栽培してみてはどうでしょうか?