見た目が特徴的なガジュマルの木。
しかし、その由来やいわれに実はちょっぴり怖い話が・・・。
そんな所も魅力の一つかもしれません。
とは言え、守護樹木として古くから大切に育てられてきました。
具体的な植え替えや挿し木・剪定の方法をご紹介しますので、ガジュマルを大切に育てましょう。
ガジュマルの由来や特徴
植物の名前は見た目や動きから名付けられていることが多いようです。
「ヒマワリ」は太陽が大好きで花が太陽を追いかけるような様子が由来だったり、実がパックリ割れて開くところから「アケビ」と呼ばれたりします。
絡まるガジュマルと花言葉
英語圏では「banjumaru」という名で親しまれるガジュマル。
日本名の由来は諸説ありますが「絡まる」というのが有力です。
土の上に見えている力強い根っこ。
実は、この根っこがいろんな物に絡まり自分が成長するという寄生植物なのです。
自然界では植物に絡まりガジュマル自身が大きくなってくると、寄生されていた植物は根っこの絡まりの締め付けが強くなり枯れていってしまうそうです。
そんなとこから別名「絞め殺しの木」とも呼ばれています。
そんな王者のような生命力からか、花言葉は「健康」です。
植物の生命線である根っこと幹。
これが太く力強いということはやはり生命力そのものが強いということでしょうね。
風を守るガジュマルと気根の役割
次に由来としてささやかれるのが「風を守る」という表現です。
南国生まれのガジュマルは、熱帯に吹く突風から守ってくれる防風林の働きもあるようです。
そのような働きから沖縄では守護樹木として大切に育てられてきました。
また、ガジュマルには他の植物にはあまり見られない気根が出てきます。
根っこと幹の間からニョキニョキともやしのようなものがそれです。
最初は細いのですが、だんだん枝のように太くなっていき地面に届くといつのまにか根っこに成長していきます。
気根は空気中の栄養を取り入れたり、土の中にいては出来ない水分調整を空気中でする為に出てきていると言われています。
これは個人的な意見ですが、空気の悪い邪気を吸い取って浄化してくれているんではないでしょうか?
ガジュマルの木の育て方
ガジュマルは熱帯や亜熱帯で育つので、温かく日光が必要です。
基本的に育てやすい観葉植物ですが、温度や水やりの管理をしましょう。
日当たり
お日様の光が大好きなので、日光不足ににならないようにしましょう。
日光不足になると、葉の色が薄くなり元気がなくなります。
しかし、真夏の強い太陽光は葉やけを起こすこともあるので、カーテンなどで半日陰を作ってあげることもあります。
冬は反対に窓辺において太陽に当ててあげたいものです。
水やり
水をあげすぎないようにします。
土が乾き気味のほうがうまく育てられます。
成長する期間3月(寒冷地は4・5月)から10月は土の表面が乾いたらたっぷりの水をあげてください。
乾燥が激しい時は、水を葉にスプレーすると良いでしょう。
ガジュマルの木の根腐れしない植え替え
鉢で植物を育てる場合は成長とともに鉢の植え替えをしてあげなければいけません。
人間の引っ越しのようなイメージですね。
環境が変わるというのはやはりストレスにもなります。
植物にかかるダメージを少しでも減らしてあげられるように、植え替えのポイントを見ていきましょう。
根腐れしない為の植え替えと適した時期
ガジュマルの場合は2年に一回ぐらいの頻度で植え替えをしてあげましょう。
植え替える理由としては、「根腐れを防ぐ」「土の栄養を補給してあげる」などが大きな目的です。
特にガジュマルは根が強く、広がっていきます。
ずっと同じ鉢だと根の成長が止まってしまい、ストレスとなり腐っていってしまいます。
これを「根詰まり」と言います。
この状況が続くと根が腐っていき、「根腐れ」を起こしてしまいます。
葉が落ちてくる原因にもなり、最悪の場合枯れてしまいます。
自然の森などでは大小様々な動物や植物が調和し、自然のサイクルによって栄養も入れ替わっていきます。
しかし鉢ではそうもいきませんので、定期的に栄養を補給してあげなければなりません。
かと言って、毎日肥料をあげる必要もありません。
肥料のあげ過ぎもストレスとなり病気を引き起こします。
人間でいう肥満のようなものですね。
ガジュマルの植え替えに適しているのは5月から7月と言われています。
成長が活発になる時期に植え替えることで環境の変化にも耐えられるようです。
植え替えに必要なもの
それでは実際に植え替えの準備に取り掛かりましょう。
基本的には一般的な観葉植物と同じですが、ガジュマルの生育に適した土などもご紹介します。
- 今よりも一回り大きい鉢
- はさみ
- 土
- 鉢底ネット
- 軽石
鉢を一回り大きくする理由は根詰まりを防ぐためです。
植え替えの一番のポイントとも言えますので、今よりも大きいものを選びましょう。
土はホームセンターなどで販売している観葉植物用の土で構いませんが、せっかくなのでガジュマルが好む土の成分を自分で用意してあげるのもいいですね。
水はけのいい土を好みますので、赤玉土(小粒)を7に対して、残りを腐葉土をメインにピートモス・バーミュキュライト・パーライトなどを混ぜてあげましょう。
全てホームセンターで手軽に購入できます。
植え替えの何日か前に作って混ぜておき、植え替えの日までなじませておいてあげるのもオススメです。
植え替えの手順
タイミングとしては、5月から7月のよく晴れた日の午前中がいいと言われています。
では実際の手順を追っていきましょう。
- 今の鉢からガジュマルを取り出してあげる。
無理に引っこ抜かずに、鉢の側面をトントン叩いてあげるとスッと抜けます。
根っこについている古い土を落とし、弱っている根っこは切ってあげます。
土は全て取らなくても少し残っていても構いません。 - 新しい鉢に底網ネットと軽石を入れる。
底網ネットを鉢のサイズにカットして底に敷きます。
水はけを良くするために軽石をまず入れます。 - 半分ほど新しい土を入れる。
観葉植物用土もしくは作った土をまず半分ぐらいの高さまで入れてあげましょう。 - ガジュマルを入れる。
ガジュマルを入れてあげて根っこを土になじませてあげます。 - 土を鉢上から少し下まで入れる。
根っこの上に土を被せてあげます。
鉢の上まで入れると水をあげる時に溢れてしまいますので少しスペースを空けます。 - 水をかけてあげる。
新しい土になじませる為に水をかけてあげます。
水によって隙間が埋まり土が下に下がります。
大きく下がった場合は下がった分だけ土を足してあげてもOKです。
植え替えた後は、まだ不安定な状態です。
1〜2週間くらいは直射日光を避けて、風通しのいいところに置いてあげましょう。
ガジュマルの木の挿し木のやり方
ガジュマルの繁殖は基本的には種です。
イチジクのように実の中に花を咲かすタイプので基本的に花は見えません。
その実から増やすこともできますが、挿し木でも新しくガジュマルを育てることができます。
挿し木とは
挿し木とは人為的に植物を増やす方法のひとつです。
一言で言うと、枝を切って植えるとまたそこから植物が育っていく。
というものです。
ガジュマルだけでなく、多くの植物が挿し木によって増やすことができます。
挿し木も適した時期があり、ガジュマルの場合は成長の大きい5月から7月がベストです。
枝も切られたダメージがあり、それを回復するのに大きなエネルギーが必要となります。
挿し木を成功させるポイント
とはいえ、やはり枝を切って新たに植えるので全てうまくいくわけではありません。
一度かなり弱った状態になってしまいます。
その為、守ってあげたいいくつかのポイントがあります。
- 10cmぐらいの長さに切ってあげる
- 先端の葉を2・3枚残し、それ以外は摘み取ってしまう
- 枝から出る樹液を水で洗い流す
- 切り取った枝を数時間水に浸してあげる
- 土は肥料の入れてないものを用意する
- 先に土に水をあげる
- 土に割り箸などで穴を開け、そこに挿し木する
あとは植え替えと同じように直射日光を避け、風通しのいいところで土が乾かないように水をあげてあげましょう。
ガジュマルの木の風通しをよくする剪定のやり方
何度か出てきたように、ガジュマルは水分を好みますが風通しも好みます。
夏場は特に成長するので、葉も多くなってきます。
葉が多くなると葉っぱ同士が触れ合って風通しが悪くなり、ストレスになってしまいます。
そしてこちらも同じく、成長の大きい5月から7月にしてあげましょう。
また、自然界では20メートルにも達する大きさに成長する種類の植物です。
定期的に剪定してあげないとドンドン大きくなってしまいます。
大きな庭がある人なら構いませんが、ベランダや室内で育てる場合はサイズ調整の意味も込めて剪定が必要になってきます。
思い切ってバッサリ枝をカット
大事に育てた植物を切るのは心苦しい。
お気持ちは分かります。
が、植物の為にも必要なことでもあります。
自然界では風や動物の影響で自然に枝や葉が少しづつ減っていきます。
その役目をしてあげなければなりません。
完成形をイメージしながら、要らないと思う部分をバッサリ切ってあげましょう。
元気の無い枝も切ってあげましょう。
勢いよく伸びすぎている枝もバランスを整える為に根元から切ります。
不安に思う方もいると思いますが、大丈夫です。
寄生する植物を枯らしてしまうほどの生命力を持つガジュマル。
枝を切ってもすぐにまた成長していきます。
切り口の樹液に注意する
木を切ると樹液が出ます。
肌の弱い方はこの樹液で荒れてしまうこともあるので園芸用の手袋を用意しましょう。
また、切り口に「癒合剤」を塗って病気を防いだ方がいい、という声もあるようです。
ガジュマルはゴムの木に近いので切り口を自分で治す為に膜が張るようで、必ずしも必要ではないようです。
特に必要ではないようですので、自然にという意味でも使わない方がいいかもしれませんね。
元気がないときは思い切って丸坊主
日陰で育つなど、ガジュマルが元気を無くしてしまうことがあります。
そんなときは思い切って、幹以外の上の部分を全部切ってしまいます。
そして日当たりと風通しのいいところに置いておくと少しづつまた成長するようです。
こちらも時期は成長する5月から7月にしましょう。
まとめ
ガジュマルのお手入れのいろいろでした。
植え替え、挿し木、剪定、と楽しみながら接してあげたいですね。
どれも時期が大事です。
くれぐれも、成長を休んでいる冬場にはやらないであげてください。
植え替えのタイミングに剪定してあげて、切って余った枝を挿し木にしてあげるというのも一度に済んで楽かもしれませんね。
ガジュマルの特性とお手入れの方法をご紹介いたしました。
ますますガジュマルの魅力に惹かれたのではないでしょか?
これからの季節にもぴったりですのでお一つ自宅に買ってきて、活気溢れる生活を送ってみてはどうでしょうか。