Lettre du Natureでも何度もフィーチャーしている地中海生まれのハーブ、ローズマリー。
そのウッディかつすがすがしい香りは、さまざまな用途に使えると大人気です。
事実、料理やアロマテラピーでよく目にするローズマリーですが、ガーデニングビギナーにも育てやすいハーブで知られていること、ご存知でしたか?
ということで、今日は鉢植えか地植えどちらがいいのかを含め、初心者にも簡単なローズマリーの育てかたをご紹介します。
ローズマリーを育てる二つの理由
そもそも、ローズマリーを自宅で育てるメリットって何でしょうか?
筆者が考えるに、そこには二つの大きな理由が存在しています。
気軽に「緑のお庭」
ふんだんな緑をベースに美しく咲き乱れるお花たち…。
そんなターシャ・テューダーのようなお庭、誰でも一度はあこがれますよね。
しかし、誰もが彼女のように広大な土地を持っているわけでもなければ、お手入れのための時間を取れるわけでもありません。
美しい緑色と針のようなユニークなかたちが魅力的なローズマリーは、世界中の施設で景観づくりに役立てられているといいます。
その手入れのしやすさはハーブの中でもダントツで、水不足にも比較的耐えうる頑丈なハーブとして知られています。
「気軽に生活に緑を加えたい」という方には、まさにもってこいの植物なのです。
250エーカーのお庭は無理でも、ベランダからでも始められるハーブがあるのですから、ローズマリーを手に入れない手はありません。
料理ハーブの王様
ポーク、チキン、ラムなどを使った肉料理はもちろん、シンプルにジャガイモと焼くだけでも最高に美味とされるローズマリー。
ローズマリーをメインにしたレシピは数知れず、そのクッキング界での活躍ぶりは、まさに料理ハーブの王様といえます。
また、ローズマリーには豊富な栄養素が含まれています。
その鉄分、カルシウム、ビタミンB6群の豊富さはさまざまな文献で紹介されており、その風味だけでなく、健康にも多大なメリットがあることがわかっています。
ただの葉っぱと侮れない栄養たっぷりのローズマリーですが、スーパーなどで購入するとなると意外と高価なんですよね。
家でいつでも収穫できるとなれば、より気軽にローズマリーを使った料理が楽しめますから、最初の一手間を考えても、自宅でローズマリーを育てる価値は充分にあると思うのです。
鉢植えと地植え、初心者に向いているのはどっち?
さて、ローズマリーを育てるにあたり、まず最初に気になる疑問がこちらです。
「鉢植えと地植え、どっちがいいの?」
基本的に放置しても育つと言われているローズマリーですが、唯一の弱点が寒さ。
霜にあたってしまうと枯れてしまうという特性を持っています。
また、多すぎる水分にも弱いので、梅雨の季節も苦手です。
さまざまなハーブエキスパートの助言を総合すると、やはり冬や雨の季節に避難させるのが簡単な鉢植えがベストの様子。
今回は、初心者にも簡単な鉢植えのローズマリーの育てかたを見ていきましょう。
鉢植えでローズマリーを育てよう
前述のとおり、難しいテクニックはこれといってあまりないローズマリー。
基本的には鉢と土と苗を買ってきて、ていねいに苗を植え替えるだけ。
その強い芳香性から害虫もほとんどつかないので、本当に楽です。
しかし、それでもいくつかポイントがありますので、一つずつ見ていきましょう。
鉢の選び方
大きさは、直径30cm以上のものを選んでください。
これは根っこがちゃんと成長するスペースを確保する為です。
また、水浸しになってしまうと腐ってしまうのがローズマリー。
必ず下の方に水が出ていくための穴があるものを選んでくださいね。
水分を放出するという意味でまた大切なのが、鉢の素材です。
テラコッタや素焼きのものは、みえない穴があいていて水気を放つので、理想的です。
逆に絶対に避けたいのがプラスチックの鉢。
土がちゃんと息をできる鉢を選んであげるのがポイントとなります。
苗の選び方
ローズマリーは、最初の年は成長が遅いことで知られています。
初心者は、もともと難しいと言われている種からの育成は避け、ホームセンターなどで苗を買ってくるのがおすすめです。
苗の選び方のポイントとしては、安さにかまけてサイズの小さいものを買わないこと。
前述のとおり、ローズマリーは成長するのに時間がかかります。
少し多くのお金を払ってでも、すでにある程度の大きさに成長したローズマリーを買う方がベターなのです。
土の選び方
ガーデニング上級者になると、土も自分でブレンドしたりするようですが、初心者はホームセンターで売っているハーブ専用の土を買うのが一番手っ取り早く、ストレスも少なくて済みます。
目安としては、弱酸性〜中性(pH6〜7)のものを探すといいでしょう。
ローズマリーがもっとも育ちやすい土壌の目安と言われています。
鉢への植え付け方
鉢と苗と土が揃ったら、次はいよいよ植え付けです。
手順はいたって簡単ですが、少々コツがあるので見ていきましょう。
- 底に軽石を敷き詰める(なければ飛ばしてもOK)。
- 土を1/3くらい入れる。
この時あまりぎゅうぎゅうにならないように、ゆるく入れるのがコツです。 - 真ん中にローズマリーの苗を置きます。
- まわりを残りの土で埋めていきます。
基本的には、土をきつきつに入れすぎなければ大丈夫です。
楽しみながらいきましょう!
日光はどれくらい浴びたらいいの?
ローズマリーは、一日に6〜8時間の日光を浴びることが必要とされています。
外でローズマリーを育てている方は問題なくクリアできる項目ですが、室内で育てている方は、少し置き場所などに注意を配る必要があります。
人工灯を使ってもいいので、この日照時間は厳守したいものです。
水やりのコツ
ローズマリーが枯れてしまう一番の要因は、水のやりすぎです。
たくさん水をあげたい気持ちをぐっとこらえて、タイミングを見極める必要があります。
一番簡単なのは、土に直接指を突っ込んで、乾き具合を測る方法。
てっぺんから3cm位のところが乾いていると、これが水やりの合図になります。
とはいっても、基本的にはあげすぎないことがローズマリーの水やりのコツです。
肥料は必要なの?
基本的に、ローズマリーの育成には肥料は必要ないといった意見が多数派です。
唯一肥料をあげたほうがいいのは、ローズマリーの色が薄いグリーンになり、成長が止まっている時。
こういう時は、乾燥肥料、もしくは水溶性の液状肥料を希釈したものを与えてあげましょう。
量については、水やりと同じことが言えます。
「あげすぎよりも、あげなさすぎのほうがまだマシ」ということです。
苗の大きさにもより、適量については一概には言えませんが、基本的にいつも少なめの方が正解と思って間違いなさそうです。
冬と梅雨の越し方
冬や梅雨の季節のローズマリーは、屋内に移動させるのが良しとされています。
どちらの場合も、できるだけ陽の当たる場所においてあげるのがいいのですが、つめたい空気に当たり過ぎないことも重要です。
もともと地中海うまれの植物ですから、あたたかく、すこし乾燥気味に育ててあげるのが鉄則です。
以上の条件を守れば、冬も梅雨もローズマリーを楽しむことができます。
収穫のやり方
基本的にはいつでも必要な時に収穫して大丈夫です。
コツは、茎から全部取ってしまわないこと。
どこからとっても枝は再生するので心配いりませんが、茎からとってしまうとそれも叶いません。
収穫したローズマリーは、お風呂に入れたり、料理に使ったりと色々楽しめます。
やり方についてはこちらの記事で紹介しているので参考にしてくださいね。
おわりに
今回は、初心者にも簡単なローズマリーの育て方を、鉢植えでの植え方から収穫までご紹介しました。
鉢の選び方は少々トリッキーな部分もありますが、苗も土も比較的手に入るローズマリーは、初心者に最適のハーブといえます。
家にひとつあるととっても便利なローズマリー。
この機会にぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか?