甘酸っぱくてさわやかな梅ジュース。
筆者の家では毎年、庭の梅の大木から梅の実を採り、梅ジュースや梅干しを作るのが伝統行事のようになっています。
誰がこの梅の木を植えたか今となってはもうわかりませんが、代々この梅で梅ジュースや梅酒を作り続けてきました。
自家製の梅ジュースは、市販のものとは違ってものすごく美味しいのは手前みそではありません。
無農薬の大粒の梅に、氷砂糖や蜂蜜で丁寧に作れば、この上なく美しい味に出会えるのです^^
みなさんも、無農薬や低農薬の南高梅で美味しい梅ジュースを作ってみませんか。
今回は、梅ジュースを上手に作る方法や、どれだけの期間の保存が可能か、自家製梅ジュースの作り方や消毒についてお届けしたいと思います。
梅ジュースを作るのに必要な容器と消毒の仕方
まず、梅ジュースを作る容器と、保存する容器の2つを準備して、それぞれをしっかり消毒しておきましょう。
梅ジュースの容器は2種類必要
梅ジュースは酸が強いので、食用のビンを使用します。
例えば、梅酒のビンとか保存ビンとして売られているものです。
装飾用ビンの鉛などが溶けだすと危険なので、注意しましょう。
■作るときの容器
作る過程でビンごとゆすったり、回してかき混ぜたりするので、いっぱいに材料を入れないよう大きめのビンか、逆さにしてもこぼれないものが良いです。
下記のレシピでは、青梅1kg と氷砂糖1kgを使いますので、5リットルの梅酒用ビンで半分ぐらい材料が入る感じになります。
毎日、ビンごとゆすったり回したりしやすい大きめがおすすめ。
エキスや糖分が梅にかかっていないと、カビや発酵の原因になるので。
■保存する容器
出来上がった梅ジュースを瓶詰して、保存するためのビンです。
シロップ用の保存ビンならなんでもいいのですが、「ボルミオリロッコ スイングボトル 0.5L」がシンプルなデザインで使いやすいですね。
0.5Lだと冷蔵庫のドアポケットにも入り、使い勝手がいいです。
消毒(滅菌)方法
保存ビンは煮沸滅菌します。
大鍋に湯を沸かしてビンを煮ます。
煮立ったお湯に急に入れるとビンが割れることがあるので、湯が沸く前からビンを入れてください。
滅菌は90℃以上5分以上が目安です。
キッチンペーパーなどでよく拭くか逆さにして、水分が残らないように注意してください。
作る時のビンも煮沸滅菌が良いのですが、ビンが大きくガラスが割れやすいので、ホワイトリカーなら簡単にできますよ^^
ビンに竹串とホワイトリカー30~50mlを入れ、しっかり蓋を閉めてビンの内側にまんべんなくホワイトリカーでぬれるように、回したり逆さにしたりします。
5分以上経ったら、ホワイトリカーは出します。(取り出したホワイトリカーは冷蔵庫の掃除などに使ってください)
きれいな布巾かキッチンペーパーで拭くか、逆さにして中を乾かします。
自家製梅ジュースの作り方
新鮮な青梅で、香り豊かですっきりした爽やかな梅酒が、1ヶ月ほどで作れます。
材料
- 青梅・・・・・・・・・・・1kg
- 氷砂糖(またはグラニュー糖)・・・・1kg(甘さ控えめのときは800g)
- 梅酒用ビン・・・・・・・・・・・・5リットル
- 竹串・・・・・・・・・・数本(梅のヘタを取るのに使用)
- 35度ホワイトリカー・・・100ml弱
基本の作り方
特別難しくはありませんが、「滅菌」「水分を取る」「ビンを揺する」ことをきちんとしましょう。
カビや発酵させないようにするのが秘訣です。
1.ビンや使う道具の消毒
煮沸滅菌やホワイトリカーで雑菌の処理をします。
前述の「容器と消毒の仕方」説明したとおりです。
2.梅を洗う
梅は、痛みや傷がないか確かめながら、流水で一つひとつ手で洗います。
洗ったものはざるにあげ、水を切っておきます。
水が切れたら、残りのホワイトリカーを霧吹きに入れ、梅にスプレーします。
3.梅の水分を拭く
自分の手にもホワイトリカーのスプレーをします。
キッチンペーパーで梅の水分をしっかり拭きます。
4.ヘタを取る
消毒した竹串でヘタ(ホシ)を取ります。
エグミが出ることもあるので、丁寧に取りましょう。
5.梅と氷砂糖をビンに入れる
氷砂糖・梅・氷砂糖という風に、交互に入れていきます。
氷砂糖で終わるようにします。
6.蓋をして冷暗所に
どこに保存するか迷いますが、床下収納庫やキッチンの下などの冷暗所へ。
毎日様子を見てゆすりますので、取り出しやすいところのほうがよいでしょう。
7.毎日数回びんをゆすって動かす
糖分が梅を覆っていないとカビや発酵の原因になりますので、ビンごとゆするか回すかしてくださいね。
梅ジュースができるまで(冷凍編)
梅を瓶に詰めてからの変化です。
梅を冷凍してから漬け込み、溶けやすいグラニュー糖を使いましたので、10日ほどでジュースができました。
1. 梅とグラニュー糖を交互にビンに詰める。
消毒済みの瓶に梅とグラニュー糖を交互に詰めたところです。
少々隙間ができてもかまいません。
2. 2日経過
あっという間にエキスが出てきます。
ビンごとゆすってあげましょう。
3. 漬けてから7日経過
もう梅がしわしわになってきましたね。
グラニュー糖もすっかり溶けてしまいました。
毎日、丹精込めて揺すったかいがありました。
もう2~3日おいたら、梅ジャムを作るため引き揚げましょう。
冷凍した梅を使って仕込むと10日ほどでできますが、冷凍しないでそのまま漬けるとと2~3週間の期間がかかります。
お好みでどちらも同じですが、毎日揺することは忘れないでくださいね。
※氷砂糖とグラニュー糖では、グラニュー糖のほうが早くエキスがで始めるので、初めて作る方は失敗が少ないです。
※梅ハニーを作りたい場合は、はちみつを梅と同量使ってください。
作り方は同じです。
※氷砂糖もグラニュー糖も透き通ったきれいなエキスがとれますが、どちらもサトウキビから作られ『体を冷やす』食べ物です。
「甜菜糖」を使うと、色が濃くなりますが体を温めますので、お好みで使い分けてください。
冷凍すると早くエキスが出る
梅を一晩冷凍庫に入れると梅の組織が破壊され、早くエキスが出るのです。
洗ってヘタを取ったら、保存袋に入れて冷凍してくださいね。
他の手順は同じです。
画像は、冷凍庫から出したばかりの梅です。
梅を取り出す
2週間から1か月で完成ですので、梅を取り出します。
梅はしわしわになっている場合と、あまりしわが入らないでツルンとしているときがありますが、どちらもOK。
取り出した梅の利用は
- 少量の水分と砂糖を加えて煮るとジャムに。
- サンマやイワシなど青魚を煮るとき。
- 刻んでドレッシングに入れる。
- 種を取って、パウンドケーキに入れる。
いろいろな料理に再利用できますので、捨てないで工夫して使ってください。
梅ジュースのカビや発酵を防止する注意点
せっかく丹精込めて仕込んだ梅が、気が付いたらカビていたとか、発酵したりしないように、つぎの点に注意しておきましょう。
エキスが出るまでビンをゆする
エキスに漬かっていない梅は発酵したりカビたりする可能性があるので、エキスに漬かるように毎日ビンを振ったりゆすったり。
この作業がちょっと面倒かなとも思うのですが、とても大事。
なるべく1日に何回が振りましょう。
梅はエキスのお汁の上でプカプカ浮いていますので、空気に触れているところがカビやすくなるのです。
そのうちにだんだん愛着が出て、様子を見たくなってしまいますよ^^
ビンの置き場所は暗冷所
床下収納庫やシンクの下でも十分ですが、温度が高くなってしまう場合は冷蔵庫に入れておくと安心ですね^^
自家製梅ジュースの賞味期限と保存期間は?
せっかく上手にできた梅ジュースも、保存中にかカビてしまってはがっかりです。
上手に保存する方法をお知らせします。
冷蔵保存
出来た梅ジュースを加熱殺菌し、煮沸殺菌のビンで冷蔵保存した場合は、冷蔵保存の場合は保存期間は3ヶ月が目安です。
- まず出来上がった梅シロップをガーゼや細かいザルで漉してから鍋に入れ弱火で15分ほど火にかけます。
※煮立たせないように注意。
※梅は酸が強いのでホーローなどの鍋が最適。 - 煮沸滅菌したビンに移し、粗熱をとって冷蔵庫保存します。
ビン詰め
さらに、ビン詰めしたものを空気を抜いて密閉した場合は保存期間は1年が目安です。
- 冷蔵保存の手順を2までします。
- 水を貼った鍋に、倒れ防止に網を敷いて、その上にビンを置き蓋も載せて。
- 沸騰させて20分、その状態を続け蒸し煮にしてください。
- 厚手のゴム手袋をして、蓋をきっちり閉めます。
- ビンの中が真空状態になればOK。
梅ジュースより梅酒がお好きな方にはこちらをどうぞ!
梅酒の作り方|手作りで甘め&甘くないやり方は?梅の収穫時期や賞味期限おわりに
自家製梅ジュースの作り方について、保存容器の消毒方法や揺らすことででカビ防止なることや、気になる賞味期限についてもお話しました。
梅ジュースをいただくのも楽しみの一つですが、ビンの中のゆらゆらゆれる液体が日々変わるのが面白く、至福の時を感じるのは筆者だけでしょうか。
手作りは思わぬ楽しさがあり、心の豊かさが広がりますね。