ヨモギは日本全国いたるところに自生して、草餅やもぐさを連想する方も多いと思います。
道端にもびっちりはえて、除草に困ることさえあるヨモギですが、古来からの万能薬草で妊活や便秘だけでなく、女性の様々な悩みを解決してくれる素晴らしい雑草なのはご存知でしたか?
今回は、よもぎ茶の作り方や飲み方と効能や、妊活や便秘の効果、そして副作用や味についてもご紹介します。
よもぎ茶の効能|女性に嬉しい効果いっぱい!
冷え性・低体温の改善
よもぎ茶には、カリウムや精油成分のシネオールが含まれ、女性のトラブルに効果を発揮してくれます。
カリウムは利尿作用があり、シネオールは自律神経の乱れを調整する働きがあります。
ヨモギには血液の循環を促進作用や血管拡張作用があり、血行が促進されることによって、代謝がよくなり冷え性や低体温の改善効果も。
お茶にして飲むだけでなく、入浴剤にした場合も血行改善の効果がありますので、手足の先までしっかり温めることができますよ^^
入浴する場合は、乾燥したヨモギひと掴みを晒し袋に入れ、鍋ややかんで煮だします。
ヨモギと抽出液をバスタブに入れてくださいね^^
妊活のお茶として
カフェインがなく体を温めるお茶として、妊活中には最適なお茶といえます。
身体や子宮が冷えを起こしていると、卵子の生育不良・卵子の着床がしずらい・エストロゲンの分泌不足などのトラブルが考えられます。
そこで、冷えない体を保つことが妊活時にはたいせつなことになり、冷えの改善に効果のあるよもぎ茶が古くから用いられてきたわけですね。
ミネラルやビタミン、鉄分を多く含む栄養バランスの良い健康茶なので、昔から助産院では妊婦さんによもぎ茶を勧めるほど、体の栄養バランスをとるために効果があるといわれています。
妊娠中毒初期症状である「むくみ」の軽減や、産後には母乳の分泌調節にも効果があり、妊産婦の体調管理にうれしいかぎりですね^^
アレルギーの改善
炎症を抑えたり殺菌作用があるヨモギの成分は、カラダの中をキレイにしてアレルギーを改善してくれます。
よもぎ茶に含まれるタンニンには『体内の有害物質を排出する』作用があり、クロロフィルには『浄血・殺菌・抗アレルギー』といった作用も。
皮膚炎によもぎ茶を使用する場合ですが、もちろん通常のように飲んでも効果はありますが、入浴剤としてお風呂によもぎを入れるとさらに皮膚の辛い症状を改善できます^^
よもぎには発汗作用が高いため、体内の老廃物を出すデトックス効果もありますので、よもぎ茶を使ったお風呂は美肌にもいいですね。
美肌効果
よもぎ茶にはデトックス効果がありますので、体内にたまった老廃物を排出してニキビや乾燥肌などのトラブル改善に効果があります。
またよもぎ茶の成分であるシオネールには自律神経を安定させる効果もありますので、アロマセラピーとしても人気がありストレスを解消してさらに女性ホルモンを安定することができます。
体のなかからお肌を綺麗にする効果がありますので、肌年齢が気になる方にもスキンケアとしてよもぎ茶を生活に取り入れると良いでしょう。
また血液の流れが活発になるため、肌のターンオーバーが活性化しますので、いつも健康で美しい肌を維持できます。
よもぎ茶の作り方
採取したヨモギを蒸す方法と、干したヨモギを煎る方法がありますが、ここでは簡単な煎る方法をご紹介します。
1. よもぎの採取
ヨモギは年中ありますが夏以降になると葉が細くなり、下の方の葉は茶色になり茎も硬くなるので、春から初夏に柔らかい葉(若芽)の部分を採集します。
採取の際に、他の雑草は採らないでヨモギのみ摘むようにすると、有毒植物の混入を避けることができます。
刈り取ったのち分別するのはかえって大変で、ほかの植物とも見分けがつきにくいこともあるので、摘む時に選別しながら採取した方がいいですね^^
2. よもぎの下処理
汚れた葉やゴミを取り、きれいに洗って水をよく切ります。
両手で一掴みずつ振ると、遠心力でかなり水が切れますので、試してみてください。
また、ざる2個で上下に激しく振っても、水分を飛ばすことができます。
3. 乾燥させる
天気の良い日が続く頃が乾燥には適していて、ざるや新聞紙に広げて乾燥させます。
軒下など風通しの良いところに吊るしても、3~4日もするとカリカリに乾いてしまいますよ^^
3. よもぎを刻む
良く乾いたヨモギは、使いやすい大きさに適当に切っておきます。
1~2cm程の長さに切れば、急須に入れやすいですね。
良く乾いていても、手でパリパリと砕くのは難しいのでハサミで切りましょう。
その際、ヨモギの毛が舞うので敏感な方はマスクをかけたほうが良いですね。
4. フライパンで煎る
フライパンで弱火で軽くいると、5分ぐらいでいい香りがしてきます。
密閉容器で、乾燥材を入れて保管します。
※乾きがあまい時は、電子レンジにかけるとパリパリにかわきます。
一気にチンするのではなく、10~20秒温めキーで様子を見ながら、温めたり冷ましたりすると、きれいな色のままパリパリになります。
よもぎ茶の味
苦味や雑味がなくやさしい味わいがあり、とてもおいしいです。
ほんのりよもぎの香りと、焙じた香りが絶妙のバランスです。
ホットで飲むほうが薬効はありますが、真夏の暑い時はアイスティーにしても美味しいですよ!
お茶と同じようにポットで抽出しても、煎じてもOK。
難しいことはありません。
よもぎ茶をミルサーにかけ粉末にします。
ミルクで溶いて飲んでも、野菜ジュースやスムージーに入れても、よもぎの香りがしておいしくいただけます!
白玉粉によもぎの粉末を混ぜお団子を作り、茹でれば簡単に草団子ができます。
小豆餡をかければ、短時間に草餅風のスイーツができます。
手打ちうどんを打つとき練りこんで、ヨモギうどんにします。
いずれも風味が良く、食欲がわきます。
よもぎ茶の副作用
特に危険な副作用というものは報告が無いようですが、摂取の方法を間違えると副作用が出ることがあります。
もともとお茶は毒消しとして用いられてきたものであり、中医学(漢方)ではお茶を病気治療に用いている医師もいるほどです。
その効き目は穏やかでも、度を過ぎると副作用が起こることがあります。
そのおもな副作用を列記してみましょう。
■よもぎアレルギー
よもぎ食物アレルギーやよもぎ花粉アレルギーを持っている人。
こんな人は要注意です!
よもぎ餅を食べると具合が悪くなるひとは、一度アレルギーテストを受けると安心かもしれませんね。
■お通じ
よもぎに含まれるタンニンは下痢を止める作用があり、大量摂取するとかえって便秘が悪化する場合があるのです。
人によっては、飲みすぎでお腹を壊し下痢になることもあります。
■薬の効果に影響
常用している西洋薬の効き目が薄れたり悪くなったりすることがあります。
使用中の薬によっても、体質によっても影響の加減は変わるのですが、これはよもぎの薬効によるものです。
タンニンには『体内の有害物質を排出する』作用があると前述したとおりです。
処方された薬を飲んでいる方は、念のため主治医へ相談されたらどうで。
安心感が増しますね。
どちらにしても常識的な適量であれば重大な問題はなく、体に良いからといって大量摂取やアレルギーを持っている方は注意が必要です。
何事も中庸、ほどほどに~
ヨモギ採取の注意点
せっかく手間暇かけて作るよもぎ茶ですから、安全で新鮮な材料を手に入れたいものです。
■農薬や排気ガスなどの化学物質の汚染
農薬や除草剤が撒かれたところのヨモギは採ってはいけません。
また、車が多く通る道端で採取するのも避けましょう。
オーガニックで薬効のある美味しいお茶を飲んでいるつもりが、農薬いっぱいのお茶だったということになりかねません。
■アブラムシや蟻などの虫や病気
アブラムシが付いているのは、もう弱っているヨモギ。
場所にもよりますが、ヨモギは6月ごろ虫が付きやすいので、5月中には採取したいものです。
山はもう少し遅めです。
春の初めに出る柔らかいヨモギは草餅などの食用に、少し育ったらよもぎ茶に、大きく育ったら入浴剤にすると無駄なく使えるので、庭先やプランターで育てれば、虫の管理や農薬から守れますね。
■動物の糞尿
犬の散歩道や猫の通り道を知らずに採取しないように、情報を集めましょう。
道端に茂っているヨモギを見つけたらつい取りたくなりますが、よほど条件の良いところでないと安心できませんね。
山であればペットの糞尿は考えずに済みます。
■ヨモギと間違えやすい植物
ブタクサや猛毒のトリカブトの新芽と間違えて採取する人がいらっしゃるようですが、いずれも菊のような匂いがないので初心者でもわかるはずです。
ただ、同じ場所に生えていることが多いので間違えるのかもしれません。
キツネのボタン・トリカブト・キンポウゲなどキンポウゲ科の有毒植物は、ヨモギのような菊の香りはありません。
筆者は噛んだ事ありませんが、とても苦いそうですよ。
- ヨモギは、葉っぱを手で揉むと『菊の香り』
葉っぱの裏が、白い産毛でおおわれている。 - 有毒植物は、毛がなく、香りもありません。
噛むと苦い。(食べないでくださいね)
■山での採取は
どこの山でも良いということはなく、入山可能な山に行きましょう。
私有地や入山許可がいる山は、許可を得なければなりません。
山の管理者や地主のかたに、ヨモギが欲しいことを伝えると、快くポイントを教えてもらえることもありますよ。
おわりに
よもぎ茶は健康、美容、ダイエット、抗老化、免疫力向上などあらゆる効果がある大変万能な薬草です。
草餅や飲み物など食用としても使われていますが、よもぎ茶は妊婦さんが飲んで安全なほど副作用の心配はありません。
天然成分のお茶のため、家族全員で毎日飲める点がうれしいですね。
よもぎ茶は自分で採取したものを使い、乾燥させてよもぎ茶を作ることができれば、より安心で楽しみも増えますね。
ヨモギで健康な美しいナチュラルライフを楽しんでください。